防水工事は一般的にビルやマンション、広い公共施設に行われる作業と思われがちですが、戸建て住宅においても非常に重要な工事です。
この記事では、戸建て住宅で防水対策が求められる理由と、採用される防水工法の種類について説明します。
また、具体的な場所ごとにおすすめの工法を紹介しますので、防水工事の計画にぜひ役立ててください。
一戸建てにも防水対策は大切
一戸建ての住まいにも、周期的な防水対策は重要です。特にベランダや屋上など、外部からの水分が侵入しやすい箇所の防水機能が低下していると、雨水が室内に侵入し雨漏りを引き起こす可能性があります。
水が建物内に浸入すると、構造体の腐食やカビ、細菌の増殖を招き、結果として建物の耐久性を損なうことにつながります。また、カビは居住者の健康にも悪影響を及ぼし、アレルギーやシックハウス症候群を誘発する恐れがあるため注意が必要です。
ベランダやバルコニー、屋上などは日々の天候に直接さらされ、紫外線の影響を受けやすいため、防水機能の劣化が進みやすくなります。
一戸建て住宅を長期にわたって安全に保つためには、定期的な防水対策が不可欠です。
一戸建て住宅へ行う防水工事の種類
一戸建て住宅においても、建物や暮らしの安全を守るために定期的に防水工事を行う必要があります。ここでは、一戸建て向けに推奨される防水工法の3つを紹介し、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
ご自宅に最適な施工法を選ぶ際の参考にしてください。
ウレタン防水
多くの一戸建てで採用されているウレタン防水は、液体状のウレタンを下地に塗布して防水層を形成する方法です。凹凸がある場所や複雑な形状の箇所にも柔軟に対応できる点がウレタン防水の大きなメリットです。
ウレタン防水には「密着工法」と「通気緩衝工法」の2つの施工方法があり、それぞれ下地の条件に応じて選択します。
ただし、塗膜が完全に乾燥するまでに時間が必要なため、計画的に施工日を選ぶ必要があるでしょう。
ウレタン防水の施工後は、約5年ごとにトップコートを塗り直すことで、約15年間の防水効果が期待できます。
FRP防水
一戸建て住宅のベランダへの防水工事では、FRP防水が多く採用されています。FRP防水は、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)を用いた防水方法で、耐久性の高さと施工期間が短くすむ点が魅力な工法です。軽量かつ強固な防水層が、建物にかかる負荷を減少させます。
しかし、ウレタン防水と比べて伸縮性に乏しく、大きな面積への施工には不向きな場合があります。特に地震などで建物が揺れた際に、防水層が割れるリスクがあるため注意が必要です。
塩ビシート防水
塩ビシート防水は、塩化ビニール製のシートを下地に敷き詰めることで防水を行う方法です。この工法は、平坦で広い住宅の屋上や陸屋根などに最適で、施工後のメンテナンスは基本的に必要ありません。
しかし、防水層が薄く外部からの物理的なダメージに弱いため、台風・強風による飛来物や鳥害によってシートが破損するリスクがあります。塩ビシート防水を採用する場合は、その点を考慮する必要があるでしょう。
一戸建てにおける適した防水工法の選び方
一戸建て住宅では、防水工事を行う主要な場所として、以下の3つが挙げられます。
- 複雑な形状を持つベランダ
- 洗濯やガーデニング用のベランダ
- 陸屋根や屋上
各場所の特性や条件に応じた防水工法を選ぶことで、それぞれに最適な効果を得ることが可能です。
どのような工法が適しているのかを順に見ていきましょう。
複雑な形状を持つベランダ
複雑な形状を持つベランダは、ウレタン防水工法が適しています。ウレタンの液体形状を利用することで、ベランダの床面にある隆起や段差、細かな凹凸にも均等に施工でき、隙間なく仕上げることが可能です。
一般に密着工法が選ばれますが、すでに雨漏りの問題がある場合は、下地が湿気を帯びている可能性があるため、ウレタン防水のなかでも通気性を考慮した通気緩衝工法を選ぶ必要があります。
複雑な形状のベランダへのウレタン防水工事は専門的な技術を要するため、実績と経験を持つ専門業者への依頼が得策です。
洗濯やガーデニング用のベランダ
日々の洗濯やガーデニングで活用するベランダには、FRP防水をおすすめします。FRP防水は耐久性と耐摩耗性に優れ、頻繁な歩行や重い物の設置によるダメージから防水層を守る強さを持っています。
また、FRP防水は乾燥時間が短く、工事期間を1日から2日程度に抑えられることからも日常的に使用するベランダに特に適しているといえるでしょう。
陸屋根や屋上
近年、一戸建て住宅においても人気がある陸屋根や屋上には、塩ビシート防水が最適です。塩ビシート防水では、一度に広範囲をカバーすることが可能であり、工期とコストの両方を抑えられます。
塩ビシートは、紫外線や高温、オゾンに対する耐性も高く、外部の厳しい環境にさらされる陸屋根や屋上に理想的な防水方法です。
屋上の防水にはアスファルト防水もありますが、重さとコストの面で、軽量で経済的な塩ビシート防水が一戸建て住宅には広く採用されています。
まとめ
ビルやマンションだけでなく、一戸建て住宅においても防水工事は不可欠です。住まいの耐久性を維持し、安心して生活するためにも、定期的に防水対策を行いましょう。一戸建てで行われる防水工事には、主に「ウレタン防水」、「FRP防水」、「塩ビシート防水」といった3つの工法があり、ベランダや屋上などに採用されます。
築年数が10年を超えた住宅の場合は、防水性能の低下に注意し、適切な時期に防水工事を実施することをおすすめします。
防水工事は専門的な知識と技術を必要とするため、経験豊富な業者を選び、お住まいの特性に合った適切な防水方法を選んでもらいましょう。
私たち天龍工業株式会社は、地元札幌市で40年以上の歴史を持ち、あらゆる防水工事に対応できるプロの職人が揃っています。一般住宅への施工実績も豊富にあるため、お客さまのご要望をお伺いし、最適な防水工事をご提案することが可能です。
ご自宅の防水工事をお考えの方は、ぜひ当社へご相談ください。